稚貝アワビの放流始まる 震災で水揚げ低迷、「つくり育てる漁業」に期待 /茨城
2016.06.02(09:50)
毎日新聞 2016年6月1日茨城県で、アワビの稚貝(小さい貝のこと)が海に放流されています。
よくネットでは「漁業権はおかしい、漁師は何にもしてないじゃないか」と言われていますが、以下の流れでアワビの資源を守っています。
(1)栽培漁業センターで、稚貝を放流出来る大きさまで育てる(30mm程度)。
(2)漁協に属する漁師が中心となり、海に放流する。
(3)大きくなったアワビから捕獲し、それ以外は海に戻すか獲らない。
※一般的には10cm以上のサイズが捕獲対象です。
(4)規格外のサイズを獲ると「密漁」となり、見つかると厳しく罰せられる。
※漁師間では大体誰がやっているか分かっているので、相応の処置を受けます。
これが一般の方となると、あるもの根こそぎ持っていかれます。
山菜取りでも同じこと言われてますよね。
どういう形にしろ、資源を守る必要はあります。
全てにおいて、性善説が通用する世の中なら良いんですけどね。
↓以下、本文
那珂湊漁協(ひたちなか市和田町3)を皮切りに、県内で31日、今年の稚貝アワビの放流が始まった。水産関係者の経営安定に欠かせない事業だが、東日本大震災の影響で、水揚げ量は過去に例のないほど低迷している。我慢の年は今後も続くとされ「つくり育てる漁業」にかける期待は大きい。
放流される稚貝は、殻の長さが30〜40ミリ。鹿嶋市平井の県栽培漁業センターで親アワビから採卵され、約1年半をかけて育成されてきた。アワビは「海のダイヤ」ともいわれる食材で、1キロ7000円前後で取引され、県内では年間20〜30トンの水揚げがあった。
しかし震災で、毎年30万個の稚貝を育てていたセンターが被災。2011、12年は全く生産できない状態が続いた。13、14年と各10万個放流したが、漁獲可能な長さ11センチに育つまでには3〜4年必要とされ、昨年の水揚げ量は5・7トンと記録が残る1901(明治34)年以降で最低だった。「今年も含めてあと3年間は少ない状態が続く」と県水産試験場は予測する。
今年は昨年に続き30万個が放流される。このうち31日は5万個弱だという。漁業者が船で沖の岩礁に移動し、丁寧に放つ。
無事放流したことに那珂湊漁協の大津直也参事は「漁業資源の回復につながる」と喜ぶ。「今は取る量を我慢し調整し、持続可能な漁を守っている。それが後継者を育てる最善の策」という。高島葉二・栽培漁業センター長も「経営安定のために少しでも役に立って良かった」とほっとした様子だった。【根本太一】
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