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昭和50年頃の、三机湾での真珠養殖

2023.02.24(18:54)
三机湾の密漁警告看板
三机湾の密漁警告看板(海上保安部と記載あり)

今日は和丸水産がフグ漁をしていた頃の思い出話をします。
まだバブルが弾ける前の、昭和50年頃の話です。

和丸水産のアワビ養殖場がある、愛媛県西宇和郡伊方町内(当時は瀬戸町でした)にある三机湾。
この三机湾では、真珠養殖全盛期には湾いっぱいに真珠が養殖されていました。

真珠養殖のイメージ
真珠養殖のイメージ(ブイが所狭しと浮かんでいる) ※三机湾の写真ではありません

当時の海面使用料は、50×50mのサイズで年間50万円。
かなりの高額でした。これを支払える程に売上があったのですね。残念ながら当時にいくら位の売上になったのかは情報がないので分かりません。

今でもまだ当地で真珠養殖が行われていますが、全盛期の20分の1以下程度の規模になっています。
時代が変わり以前に比べて儲からなくなったそうです。
また後継者不足問題も相変わらずあり、廃業された方もいるようです。

そして真珠養殖が儲かっていた頃の三机湾には、大きな問題がありました。
それは、「生きた」真珠の盗難です。

最近でも山梨県で桃の盗難事件がありましたよね。
それを海の中でやるわけです。

生きた真珠を、海の中で盗難???

そうです、さすがに仕分けの済んだ真珠などは厳重に守られています(見つかれば漁師に半殺しにされます)ので、秘密裏に海の中で真珠の入ったアコヤガイを丸ごと盗むのです。

アコヤガイに入っている真珠
アコヤガイに入っている真珠(自然に入っているものではなく、人間が核を入れ、それをアコヤガイが美しくします)

当時は真珠養殖場のすぐ近くに見張り小屋や防犯灯(野球のナイター試合で使うような物)があったのですが、それをかいくぐって盗みに来る人たちがいたんですよ。

な~にぃ~? やっちまったな!!

泥棒さんが何回か成功したことに味をしめた所、海の取締りを担当する海上保安庁が本気を出しました。
とある年の1月2日。雪がちらつく中、その日はやって来ました。

海上保安庁はその時、見張っていました。
ここ、大事です。通報があってから来たのではなく、マークされた箇所で海上保安庁は見張ることがあります。
(近年でもよく夏にアワビ、サザエの密漁事件がありますが、場所により見張られていますので、ぜひお止め下さい。頑張ってアワビ、サザエを捕獲しても没収されて処罰されますよ。被害者との間に示談にならず、裁判により有罪判決を受けると前科も付きます。)

その日、どこからともなく、スーツを着た泥棒さんがやって来ました。
スーツと言っても青山のスーツではなく、ダイビングスーツです(正確にはドライスーツです)。

そこで海上保安庁は泥棒さんを現行犯逮捕する為、泥棒さんは文字通りしばらく泳がされます。
そして泥棒確保の時がやって来ましたが、そこは夜の海。

泥棒さんはあっちこっちと海の中を2時間程逃げ回りましたが、寒さに耐えられずに「頼むから揚げてくれ」と自ら言い、逮捕となりました。
泥棒さんは、どのアコヤガイに良い真珠が入っているか外観で見て分かる、同業者だったそうです。

当時はこのように景気が良いことから発生する事件がありましたが、地元での近年の漁業は「獲れず」「売れず」で下火になっています。
和丸水産も生き残っていけるように頑張っていきます。

もと

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和丸水産のもと

Author:和丸水産のもと
 
和丸水産のもとは、大阪の自然環境調査会社で勤務中!

環境関連の知識をフル活用して、アワビ養殖の実態、アワビの全国ニュース、環境問題等についてお伝えします!

※写真は和丸水産代表です。

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