アワビの養殖方法
- アワビ養殖の成功方法1 ~養殖アワビだけに頼らない~(10/22)
- 失敗するアワビの養殖方法2 ~閉鎖循環式養殖施設~(10/20)
- 失敗するアワビの養殖方法1 ~打ち込み式ろ過海水~(10/17)
- アワビ陸上養殖の適地2 ~大きな川を避ける~(10/15)
- アワビ陸上養殖の適地1 ~海面との高低差を少なくする~(10/08)
アワビ養殖の成功方法1 ~養殖アワビだけに頼らない~
2016.10.22(02:29)
まだまだ成功しているとは言いがたい当店ですが、アワビ養殖を成功させる為の方法はいくつかあります。どんなに高性能で、アワビがよく育つ養殖施設を陸上に作ったとしても、海面養殖で電気代を抑え、運営を楽にしたとしても、アワビの養殖は不安定なものです。
赤潮、突然の停電、台風による施設の破損、病気によるアワビの大量斃死、稚貝仕入先の倒産 等、たくさんのリスクがあります。ここで大事なことは、アワビ養殖と言えども、アワビだけに頼らないこと です。簡単に言えば副業か、別の商品を準備する必要があります。
当店であれば、天然アワビ・サザエ、ナマコ、牡蠣。
地の利に合わせ、養殖アワビだけでなく、他からも収入源があるようにしないと成功はかなり厳しいものとなります。
もと
失敗するアワビの養殖方法2 ~閉鎖循環式養殖施設~
2016.10.20(12:45)
閉鎖循環式の養殖施設とは、海から海水を取水することなく、施設内で調合した人工海水を循環させ運営する方式です。かなり夢のある方式で、僕も個人的には好きなのですが、商用ベースで成功している例はほとんどありません。
ちょっとしたpH等の変化で死んでしまうのが、アワビです。
学者さんや第3セクター、業者が政府の補助金等を利用し、運用した例は多数ありますが、ほぼ失敗しています。
アワビが途中で死んでしまうか、成長が著しく遅いか、ろ過装置等のコストが高くついて運営できない、等になります。
取水海水方式より難易度が更に上りますので、事業を始める前であれば手を出さない方が無難です。
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失敗するアワビの養殖方法1 ~打ち込み式ろ過海水~
2016.10.17(07:00)
和丸水産でも、愛媛県大島の第3セクター事業でも失敗した例を紹介します。それは取水において、打ち込み式ろ過海水を使用した例です。
管を海底や地下に打ち込み取水すると、それだけでろ過された海水を得られます。
かなり便利で効率的に見えますが、こうすると大概pHが下がっていきます。
pHの低下は、アワビの貝殻を銀色にさせ、最終的にはアワビを殺します。
和丸水産では実験段階でそのことに気付き、辞めました。
愛媛県の大島へも視察に行ったのですが、見た段階で失敗するのは分かりました。
打ち込み式ろ過海水は、失敗します。
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アワビ陸上養殖の適地2 ~大きな川を避ける~
2016.10.15(09:04)
アワビを陸上養殖する場合、適地があります。その一つは、大きな川が近くにない所です。
川には雨水(大雨の時には濁水)や、生活排水や工場の排水が流れ込みます。
それらが混じった海水を取水することで、アワビが敏感に反応します。
餌を食べる量が減ったり、体が弱ったり、病気にかかりやすくなったり、死んだりします。
また、場合によりアワビの体内に不純物が取り込まれることもあります。
特にアワビは、pHの変動や低pHに弱いので、大きな川の周辺では養殖や蓄養が上手くいきにくくなります。
ですので、施設建設の際にまず、大きな川の近くを避けることが重要です。
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アワビ陸上養殖の適地1 ~海面との高低差を少なくする~
2016.10.08(14:21)

和丸水産のアワビ養殖施設 前面の様子
アワビを陸上養殖する場合、適地があります。
その一つは、海面と陸上養殖施設の高低さがあまりない所です。
それは、取水の際にかかる電気代が少なくて済むからです。
この電気代は毎月固定コストとしてかかりますので、非常に重要です。
和丸水産のアワビ養殖施設では、高低さが最短1m程になります。
これだけの情報からすると、潮位変動の少ない日本海近郊にて施設を作れば良いとも思えますが、総じて水温が低くなりアワビの成長率が下がりますので、複合的に考えることが必要です。
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